『Warm Bodies』
世界の終わりに、恋が襲ってきた。
ゾンビと人間が敵対する近未来。ゾンビ男子”R”はある日襲撃するはずのニンゲン女子”ジュリー”に一目惚れ、助けてしまう。最初は恐れをなし、徹底的にRを拒絶していたジュリーも、彼の不器用な優しさと純粋さに触れて次第に心を開き始める。出会ってはいけなかった、けれどうっかり出会ってしまったふたりの恋。それは最終型ゾンビの”ガイコツ集団”そしてニンゲンたちのリーダーであるジュリーの父親にとって許されることではなかった! 彼らの恋は、ゾンビの死に絶えた冷たいハートを打ち鳴らすことができるのか!? そして終わりかけている世界に、もう一度温かな希望を蘇らせることができるのか!?
あらすじはねたばれしないようにサイトから引用しました。ふわふわ温かい気持ちになれる(!?)不思議なゾンビ映画は一見の価値ありです。仕草がもどかしいゾンビを応援したくなるなんて思いもしませんでした。アメリカのポスターでは「彼はやっぱり死んでるんだけど、だんだん温かくなってきてるの」という副題がついています。
主役のゾンビボーイRには『About a boy』でヒュー・グラントをたじたじにさせていたあの少年、ニコラス・ホルトが! 個人的にはトム・フォードが監督した『The single man』にでていた線の細い美少年ケニーのイメージが強かったのですが、ここ数年は多様な役回りで話題作にひっぱりだこのようです。今年は他にも『Jack the Giant Slayer』(原題)が公開されています。
ゾンビなのに、ほんのり嬉しそうにするところだったり、ゾンビになってしまったけれど、今時の純真な男の子が考えそうなセリフがリアルで親近感が湧き、つい応援したくなるんです。彼のセリフまわしがどの場面にもはまっていて、思わず苦笑いすることが多かったのですが、そのコミカルさが気に入りました!
脇を固めるのはジョン・マルコビッチ(ジュリーの父親役)だったり、Rの親友ゾンビがRob Corddry(キャメロン・ディアスとアシュトン・カッチャー主演『what happen in vegas』のカッチャーの親友役)だったりと、テンポよくコメディチックなところ、ゾンビ対ニンゲンという生死をかけたシリアスな場面でできる物語の起伏、ロマンチックな叶わぬ恋の行方、それぞれハラハラさせられます。
観た記憶を消して、もう一度初見でみたくなるような映画でした。これから初見で観賞できるみなさんは9月21日の公開を楽しみにされてくださいね!