OMOTESANDO KOFFEE
表参道ヒルズの脇を入って……。
民家の間を抜けて……。
本当にここの道でいいのかなぁ……と不安になるころ、強いコーヒーの香りがしてほっとする。
友人に教えてもらったOMOTESANDO KOFFEEは古い日本家屋を和モダンに改築したカフェ。
カフェと言っても座れるのは軒先だけで、立ち飲みが基本。
快適とはいえないかもしれないはずのお店なのに、美味しいコーヒーを飲みたい人が後を絶たず訪れる。
自分はコーヒー通ではないけど、東京で一番かもしれない。美味しかった。
お店の奥に小さな書斎を発見。そこにはなんと!
これ、すごく昔お父さんの部屋に絶対に絶対におんなじものがあった! と思う世界大百科事典がずらり。
階段前の踊り場に作られたこの書斎と、6畳ほどの部屋では盆栽の展示会中。
盆栽!?
盆栽好きな頑固おじいちゃんとお洒落でコーヒーが大好きな孫が仲良くなったようなお店だ。変なの。
取材心が動きだし、植栽屋さんに話を聞く。
ーいつか大きい鉢に植え替えるものなんですか?
「木は鉢以上の大きさにはなれません。たとえばこれは30年以上経過した樫の木です。(高さ25cm程の盆栽)公園に30年も植わっていたら余裕で木登りができるくらいの大きさになります。鉢で育てている間はずっとこの大きさです。」
ーなるほど、じゃあ木を大きくしたくなったら……。
「大きな鉢に植え替えればいいんです。」
ーでは公園や土手から土を拾ってきてできるものなんでしょうか?
「盆栽用の土でなければだめです。土は3年ごとに替えます。観葉植物用などの腐葉土なども向きません。必要とする栄養素が違います。海外では盆栽用の土が高値でやりとりされています。」
ー高値ですか! そんなにお金をかけて、花は毎年咲くものなんでしょうか?
「植えた時にすでにあった枝や葉には来年も花が咲きますが、鉢に植えてから成長した葉には花がつきません。新しい葉は余計な栄養を摂ってしまうだけですから、切ってしまって大丈夫です。」
ーあぁ! だからおじいさんはいつもハサミを入れているんですか?
「そうですね(笑)」
ー例えばこの鉢の木の形はとても綺麗だと思いますが、この形をキープできるものなんですか?
「新しい葉を切って育てるので、基本は同じ形のはずです。四季によって葉がついたり落ちたり、紅葉を楽しめるものもありますから同じ形というわけではないかもしれませんが。」
ー紅葉する木を植えれば秋が楽しみになりますね。水やりの頻度と量は決まっているんですか?
「厳密には決まっていますが、冬は2日おきで夏はこの時間に……なんてやっているとそのうちいつ水をあげたか忘れるようになります。なので毎日1回決まった時間に水をあげる習慣をつけてください。盆栽用鉢の水はけは大きくできているので要らない水分は抜けていきます。たっぷり水をあげてください。」
ー最後に、うちに苔玉があるんですが、どうしたら長持ちさせられますか?
「苔はまわりに巻いてあるだけで、中の土は盆栽用の土なんです。なのでそちらも同じように3年ごとに苔をはがして、中の土を入れ替えないといけません。新葉を切ることに関しても同じです。」
ー知りませんでした!
コーヒーを飲みに行ったら、ロフトで買った苔玉が長生きしそうな話を聞けた。
お土産にもしたい絶品ベイクドカスタードはひとつたったの180円。次回は友達の分も買って帰ろう。
小さな入り口をまたみつけられるといいんだけど。
※購入も可能だった盆栽展は3月一杯だったよう。定期的に違ったイベントが入る。