『天才』石原慎太郎

『天才』石原慎太郎

ついに……ついに電子ブックに手を出してしまった。石原慎太郎が、一人称で田中角栄となって書かれた本。面白い。どこの書店でも売り切れだったし、書籍よりeブックが300円安かったからつい! でも待って。印刷製本配本のコストが、たったの300円ということなんだろうか。一生懸命携わっているひとが多いのに、安すぎる。電子ブックは500円くらいにして欲しいものだ。

本でしか聞いたことのないあの事件に、当時現役の政治家だった石原慎太郎も出てくる。緊迫した会議での『俺』一人称田中角栄が考えることが面白い。政策では角さんの金権政治を真っ向から否定していた石原さん。どんな人の懐にもふわっと入ってしまう、ひとたらしの手にかかると石原さんも角さんのファンになってしまったんですね。

近代日本は角さんが作った。実話だから面白い。故人を題材にしたものって、死人に口無しという意味で、レイプに近いと思っていましたが、今頃角さんは笑いながら天国で石原さんを見ているんじゃないでしょうか。