Do I sound gay?
日本語でいえば『おねえ言葉』。この映画は典型的な『ゲイ言葉』についてのドキュメントです。
40歳になったばかりのデイビッド。猫2匹と暮らす独り暮らし。正確には2週間前に彼と同棲を解消したところ。失恋の痛手を癒そう、ゲイビーチパーティに参加してみるものの、ゲイ特有の華美な話し声ばかりが耳についてげんなりする。そこでふと、「自分もこんな話し方なの?」と、自分の声に疑問を持ち始める。ボイストレーナーや声の専門家を訪れて、自らの声を分析してもらう。するとわかったことは、デイビッドは明らかにゲイに聞こえる話し方をしているということ。じゃあいつ? どこでこの話し方を覚えたの? ゲイ人口はどうしてゲイっぽい話し方をする人が多いの? デイビッドは声と話し方のルーツ探しを始める。
映画によると、ゲイに聞こえる英語の話し方の要因は以下のとおり。
<母音をはっきり発音する。
母音が長い。
Ssが長い。
Lsがをはっきり発音する。
Ps、Ts、Ksをおおげさに発音する。>
付け加えれば、語尾を上げた話し方も理由のひとつ。俳優がゲイ役をやるときは、これらの発音に気を使えばゲイに聞こえるということ。逆にゲイの人がこの発音をやめれば、ストレートに聞こえる。
でもやめる必要なんてあるのかな? ないよね? 親しみやすくて良いではないですか。映画では、ストレートだけど話し方でゲイだと間違えられる人、ゲイだけどストレートのように話す人などなどが登場します。
主人公のデイビッドは、ストレートの男性のような話し方をしたいとレッスンを受けるのだけど、個人的に彼の話し方にとても好感を抱いている私。結局、声や仕草よりも、その人のことを好きか嫌いかというだよね。
インタビューのなかで、ライターのDavid Sedaris(下記動画の冒頭で話している人)が、「ゲイだと気づかなかった」と言われるとほっとしたり嬉しがっている自分にうんざりする、というシーンがある。同性愛者は○○だと決めつける人がいるからなんだろうなと推測。
この○○に入る部分の「悪意ある見方」をする人が、理解できない。いつかすべての偏見がなくなりますように。